塾内テストの偏差値は、入試で役立つ
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ここからは、塾内テストや会場模試について。
学習塾の利点の一つは、学力テストがあることだ。
小学校のテストは確認テストや習熟度テストだし、中学校の定期テストでは、他の学校の生徒との比較ができない。
しかし塾のテストではそれができるのだ。
大手チェーン塾では、独自にテストを作って学力を測ってるし、参加人数が少ないところでは、別の大手塾のテストに参加したりしている。
また個人塾でも、教材会社や業者テストを利用していて、偏差値情報が出る。
こういう客観的データは、母集団の大きさ、つまり同じテストを受けた人数が多くて広い地域にまたがっていることが重要だから、各学校ごとでつけられる評価(通知表の点)よりも実力に近くなる。
というのも子供の教育に熱心な家庭が多い地域にある中学では、学力平均が高くなるので、評点がどうしても低めに出てしまう。
逆に子供の教育に無関心な家庭が多い地域にある中学では、学力平均が低めなので、評点はどうしても高めに出てしまうのだ。
もちろん教育熱心な市町村や都道府県では、統一学力テストを行ったりして、評点の標準化を行って信頼度を上げようとしている。
しかし評点(内申点)は学校内のテストの成績でつけられるので、学校間の違いはどうしても発生する。
その点、学習塾の学力テストは、「塾に通っている生徒だけ」というフィルターはかかってるが、広い範囲で実施されているため、学校ごとに出される評点より客観性がある。
特に公立高校入試は、都道府県の統一入試で行われるため、都道府県レベルでの席次・偏差値情報が役に立つ。
公立中学校では、学校による業者テスト利用が禁止されているため、こういう客観情報は入手不可能だ。
これがつまり、学校より塾の方が、適切な進学指導ができる理由だね。
成績の客観的データは絶対に必要
学習塾で学力テストを行う場合、教材出版社やテスト業者のテストを使うことになる。
というのも生徒の学力を客観的に捉えるには、広い範囲で大勢の生徒が受験しているテストに参加する必要があるからだ。
これは入試の際の進路相談にも必要だし、塾の学習指導が上手く行っていることを証明する証拠としても重要だ。
子供を塾に通わせるのは、保護者の自由意志で行われていることだから、保護者が生徒の成績に不満があれば、文句を言われることは多々ある。
そこで「ウチはちゃんと教育ができてます」と言うのは勝手だが、それを親御さんに納得してもらうためには、どうしてもこういう客観的データを揃えておかねばならない。
「あなたのお子さんは、ウチの塾に入られた頃はこういう成績で、今はこうなってます」ということを示せなければ、いくら一生懸命に指導していても、受け入れられはしない。
そして成績の客観データがなければ、あらぬウワサを立てられたりしても、反論する術がなくなってしまう。
個人塾や小さな塾はクチコミで成り立っている様なモノだから、場合によっては、客観的データがないせいで、成績が伸びている生徒まで失いかねない。
塾できちんと学習指導できているかどうかを、塾で証明できる唯一のデータが、模試の成績の推移データだから、これは多少手間がかかっても、塾内テストは定期的にやっておく必要がある。
もちろん、生徒の成績アップのために客観データが必要なのは、当たり前のことではあるが。