小学校4年生くらいから差が出る。
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識字障害を抱える子供は、英語圏では15%くらいいると言われている。
日本では10%未満といわれているが、これは日本語という言語が表音文字を使うから、発見される率が低いだけなのかも知れない。
小学校時代、親が子供の勉強を見てやっている家庭では、言葉の読み書きや辞書調べなど、勉強法は身に付いているので、発見されないだけなのかも知れない。
逆に、家庭に子供用の辞書や図鑑などがない家庭では、識字障害がもろに出てくることになる。
とくに抽象的な言葉が出てくる小学校高学年くらいから、だんだんついていけなくなり、中学生になると全然出来なくて通知票は、オール1とかオール2になる。
言語形成期を過ぎると、識字障害が問題になる
識字障害が小学校4年生くらいから問題になってくるのは、10才くらいで「言語形成期」が終わるからだと言うことらしい。
人間は、生まれてから10年くらいの間に、音声を言葉として判別する能力が発達する。
これが言語形成期だ。
この期間に日本で暮らせば、日本語を聞き取る能力ができ、英語圏で暮らせば、英語の言葉を聞き分けることが出来る。
最近、モスキート音なんていって、若年層にしか聞こえない電話の呼び出し音というのが携帯電話などで使えるようになって、ちょっとした話題になったりしているが、年齢によって聞き分けられる音の範囲が違うようなのだ。
だから英語の発音が日本人には聞き分けられないのは、十歳までの生活環境に英語の発音がないからだと言える。
そしてここから二十代前半までが第二言語形成期と呼ばれ、方言や抽象語など、様々な言葉を理解出来るようになる。
10才というと、小学校4年生にあたるから、識字障害が見つかる年代と一致する。
つまりこの頃から、識字障害を抱えている子供は、言葉の意味がだんだん分からなくなっていくわけだ。
そして分からないから、やる気を出して勉強を始めても分からないことが次から次に出てきて、やる気が萎えてしまい、勉強がイヤになるという悪循環になる。