集中力と、注意機能障害
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勉強ができない子供というのは、たいていの場合、集中力がないと言われる。
そして親や先生から「集中しろ」なんて言われる。
ADHD(注意欠陥・多動性障害)なんかも、注意力が続かない、気が散るなんていう症状がメインの症状だね。
しかし集中力というのは、いったい何なのか。
集中力は、どうしたら出るのか、まとまった説明は滅多に見ない。
ということで、逆の「集中力が無い症状」から、集中力について考えてみよう。
まず集中力が続かない、集中できないという症状は、「注意障害」とか「注意機能障害」という名前が付いている。
これは「高次脳機能障害」というカテゴリーの用語だ。
高次脳機能障害というのは、簡単に言うと、外傷や脳梗塞・脳出血などによって脳の一部が損傷したときに起こる障害だ。
高次脳機能障害で発生する障害
- 記憶障害
- 注意機能障害
- 遂行機能障害
- 社会的行動障害
最初の記憶障害とは、記憶できない・記憶を維持できない・記憶が思い出せない、と言う障害だ。
二つ目の注意機能障害とは、注意力が無い、注意力が続かないなどの症状だ。
3番目の遂行機能障害とは、目標を立て、計画を立て、それを実行するということができない障害のことだ。
これら3つの障害が絡み合って起こるのが社会的行動障害になる。
高次脳機能障害というのは、昔はできた事ができなくなったという機能障害なので、逆に言うと脳にはこれらを行う機能を持っていると言うことになる。
となると、高次脳機能障害のリハビリの方法が、集中力の無い子供にも役立つ可能性があるのではないかと思う。
注意障害・注意機能障害の5つのタイプ
集中力が続かない、集中力が散漫、などといった状態は、高次脳機能障害でよく見られる症状で、「注意障害」とか「注意機能障害」と呼ぶらしい。
高次脳機能障害というのは、事故や脳卒中・脳梗塞などによって、脳の一部の機能が停止して起こる症状で、要するに脳が物理的に壊れてるって事だ。
脳が物理的に壊れた時に、今までできていたことが出来なくなったと言うことは、その部分にその機能があるということになる。
そしてリハビリで機能が回復するのであれば、同じ方法で生徒の注意力不足をナントカできるかも知れない。
さて、この注意機能障害は、次の5つのタイプに分類されている。
注意機能障害の分類
- 容量性注意障害…情報処理能力が小さすぎる
- 選択性注意障害…関心のあるモノや、注意すべきモノに注意を向けられない
- 持続性注意障害…注意力を持続させられない
- 分配性(分割性)注意障害…複数の作業を平行してできない、順序立てられない
- 転換性注意障害…一つのことに集中してしまい、それ以外のことに切り替えられない
これを見ると、まさに勉強ができない子供の特徴にそっくりだという感じもするね。
一つ目の容量性注意障害というのは、たとえば「59684」などといったランダムな数字を覚えて逆から言う(48695)というテストで、できる桁数が少ないといった障害だ。
認知症などでよくある「100から7を引いていく」というテストなんかも、使えるかも。
あとの4つの注意障害は、それぞれ別のタイプの注意障害だね。