学習塾とは何を売る商売?
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学習塾とは、サービス業である。
サービス業というのは、無形の「サービス」というものを売る商売のことだ。
経済学や経営学では、形のある商品(経済学用語では「財(ざい)」という)を売る仕事と、形のないサービスを売る仕事を分けて考えている。
というのも、この二つでは、営業方法が異なるからだ。
形のある商品を売る商売とは、簡単に言うと、工場だと考えればよい。
工場は、材料を仕入れて商品を造る。
作った商品は倉庫に保管し、売れたら倉庫から出す。
倉庫にある商品、つまり在庫が減ってきたら、また新たに材料を仕入れて商品を作り出す。
この繰り返しになる。
実際には、毎月売れる分だけの商品を一ヶ月かけて作るというのが、形のある商品(財)を売る商売と言うことになる。
学習塾は、無形のものを売る商売
形のある商品を売る商売をしている場合、お客さんは、形のある商品を目当てにやってくる。
その商品が優れていると、また買ってくれる可能性が高いが、一個でよい商品の場合は、購買は一回きりになってしまう。
こういう商売で大事なのは、販売管理・在庫管理と言うことになる。
利益の上がらない商品を作ったり仕入れたら在庫が積み上がり、商売はあがったりになる。
お客さんは「良いモノを買った」と思えばまた来てくれるし、そうでなければ二度とこない。
だから売れる商品を作ったり扱ったりに力を注ぐことになる。
商品が良ければ儲かる確率は高い。
一方、サービス業というのは「形のないサービス」を売る商売だ。
一番簡単な例として私がよく上げるのは、理容店や理髪店だ。
いわゆる「散髪屋さん」ってことだけれど、ここでは何にもモノはくれない。
行ったら髪の毛を切って整えてくれるだけだ。
形のある商品を売っている商売だと、お客さんは商品を受け取ってお金を払って帰るからお店から出るときは、形のあるモノを持って帰ることになる。
ところがサービス業の場合、お客さんが店から出るときには、形のあるモノは何にも持ってでないわけである。
あるとすれば「小さな満足」くらいか。
この「小さな満足」をいかに作るかが、サービス業の大きなテーマなのである。