春に退塾する生徒をいかに減らすか
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学習塾の1月は、目前に迫った受験に対応する月だ。
合格実績は、小さな塾でも重要だから、とにかく受験生の指導が最優先だ。
というのも新規顧客は、合格実績から塾の指導レベルを見極めようとするからだ。
受験生に対する指導の手厚さは、保護者や学校の友達を通じてクチコミでも広まるので、これが春の生徒募集に影響してくる。
特に、小学校5年生や中学2年生など、翌年に受験を控えた生徒の親御さんは、今通っている塾に通わせ続けるか、それとも受験のために転塾するかを思案している。
成績が思ったように伸びない生徒の場合、このまま塾を続けても成績が伸びないだろうと判断されて、転塾してしまうのだ。
あるいは転塾させることで、子供に受験を意識させようという事かも知れない。
3年生の6月とか7月に退塾して、他の塾に行く生徒も珍しくないしね。
なので受験指導がちゃんとしていると評価されると、2月3月の退塾者が減り、4月の入塾者が増えることになる。
逆に受験指導がちゃんとしていないと評価されると、2月3月の退塾者が増え、4月の入塾者も期待できない事になる。
となると1月の学習指導というのは、非常に難しい舵取りが必要になる。
受験直前の生徒はしっかり面倒を見ないといけないし、かといって欲念受験を控えている生徒さんの面倒も見ないと、退塾して行ってしまう。
だからこそ、冬期講習のテキストは12月早めに渡してスタートして、冬休み中に総復習を終わらせておき、年が明けたら次の受験生に重点をおくべきだろう。
1月からは、次年度の受験準備指導を始める。
受験生というのは、授業料を割り増しで払ってくれる生徒だ。
なので受験生を何人集められるかが、塾の経営を大きく左右する。
特に小学校5年生と中学2年生の親御さんは、成績が伸びなければ転塾も辞さない。
2月3月で退塾して他の塾に行く子供も多いし、6月7月と言った夏休み前に、転塾して行く生徒も多い。
受験生ともなると、ゴールは志望校への合格だから、それを叶えてくれそうな塾でないと、さっさと止めて他へ行ってしまうのだ。
たいていの塾では受験生は割高な料金設定になっているため、保護者は、今までよりシビアな目で塾を見て来るのだと言うことかも知れない。
となると重要なのが、受験指導の手厚さと、在籍中の成績の伸びだ。
学校の成績、塾の学力テストの成績、外部模試成績など、右肩上がりでないと、転塾は覚悟しておかなければならない。
特に中学生は学年末テストもあるし、内申点もある。
なので1月に目先の受験生を優先して、翌年の受験生予備軍を疎かにしていると、塾に残った生徒の成績ががた落ちになって、春になって大量退塾というケースも起こりうる。
この辺は個人経営などの小さな塾では二律背反で、トレードオフになっているので、非常に悩ましい問題だ。
大手塾であれば、クラス別編成や学年別授業だから、こういう悩みも少ないだろうけれど、個人塾や小規模塾で大部屋一つで指導したりしていると、どうしても疎かになる部分が出てくる。
なので年が明けたら、次の受験生に対しては、受験準備という位置づけで、親御さんにも分かる形で受験指導を始めた方が良い。
また進路が決まっている小学6年生には、「中学準備講座」あるいは「中学進学準備指導」と称して、中学の先取り指導を始めるべきだろう。