物質依存・薬物依存
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依存症とは、何かに執着して、その執着から逃れられなくなるという「一種の生活習慣病」だ。
酒やアルコール、タバコ、ギャンブル、恋愛、ゲームなど、様々な依存症があるが、パターンは似通っている。
というのも、依存症というのは、一種の脳の病気であって、脳の反応パターンが同じだからだ。
しかしそれが分かったのは、1990年代後半くらいのことで、脳内の活動状況をCG化して観察出来るようになってからだ。
だから、依存症と同じパターンで脳が反応するモノは全て依存症だと、みなして対応出来るようになった。
ただそれではわかりにくいので、3つのタイプの依存症を、簡単に説明しておくことにする。
依存症の一つ目のタイプは、物質依存・薬物依存と言う、非常に分かりやすいタイプだ。
酒やアルコール、タバコなど、身体に直接影響を及ぼす何らかの物質が原因で依存症が起こる。
物質依存・薬物依存というのは、依存症を引き起こす依存物質が、脳に何らかの「快感」を引き起こす。
たとえば不安やイライラが起こったとき、タバコを吸うと脳が一時的に興奮して、不安やイライラを吹き飛ばしてくれるのだ。
そこでこれが条件反射になる。
つまり嫌なことや痛みがあると、タバコを吸いたくなるというふうに、パターン化が行われるわけだ。
しかし徐々に耐性ができて、同じようにタバコを吸ったとしても、脳は最初の頃ほどは興奮しにくくなる。
そこで「もっともっと」とタバコを求めるようになって、最後には、タバコ無しではいられなくなる。
これが物質依存・薬物依存の基本的なパターンだ。
行為依存と関係依存・共依存
依存症の3つのタイプ、2つめは「行為依存」というタイプだ。
薬物依存・物質依存は、飲むものや食べるモノに依存したが、行為依存は「やること」に依存する。
何かをやりたくてやりたくてたまらない。
何かをやらずにはおれない。
何かをやることばかり考えている。
こういうタイプの依存症だ。
行為依存には、次のようなものがある。
様々な行為依存の例
- 摂食障害(過食症)
- 買い物依存症
- ギャンブル依存症(パチンコ・パチスロなど)
- 借金依存症
- 宗教依存症(新興宗教・カルト依存症)
- 性依存症(セックス依存症、セックス中毒)
- パソコン依存症、インターネット依存症、携帯電話依存症
- ゲーム依存症
- テレビ中毒
- 仕事中毒
関係依存とは、誰か他の人間に依存しており、他人無しでは生きられないという依存症だ。
これは「共依存」などとも呼ばれるが、特定の誰かに依存するというタイプ。
親子関係や、夫婦関係、恋人関係など、誰かを支配することに依存する、誰かに支配されることに依存する。
支配できるモノがあると自己評価が上がるので、支配しようとする人間は多いのだが、支配されないと不安になるということで、依存症になると言うことらしい。
これは、子供を支配しようとする親、あるいは子供の成功を自己評価にする親などに、よく見られるタイプの依存症だが、これは学習塾側では、深入りしない方が良さそうな依存症かもしれないね。