塾内テストの利点
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学習塾の利点には色々あるが、学力テストはその一つだろう。
公立中学に通う限り、他の中学に通う生徒との学力比較は難しい。
というのも中学ごとに異なる問題で定期テストを行っているため、テストの成績で比較することができないからだ。
さらに高校受験を考えると、内申点(通知表の評点)も、学校ごとにバラツキがあって、信頼性に欠ける。
たとえば教育に熱心な親が多い地域にある中学では、学力の平均が高いため、評点(通知簿・内申書点)は相対的に低くつけられてしまう。
逆に教育に無関心な親が多い地域にある中学では、学力の平均点が低いため、評点は相対的に高くなりがちだ。
中学校それぞれが、それぞれに点数をつけると、どうしてもこういうバラツキになってしまう。
生徒一人一人の学力を適正に評価するとなると、広い範囲の地域の生徒が受験する統一テストをやらないと、わからない。
なので横浜市や川崎市などでは、年に一回、統一学力テストを行って、学力のチェックや評点のバラツキを小さくしようとしている。
しかし公立高校入試は神奈川県内統一テストで行われるので、これでも実は進学指導には物足りないだろう。
一方、塾で実施する学力テストは、生徒それぞれの現在の学力位置を「偏差値」として知ることができる。
テスト業者のテストを利用しているため、他の塾で同じテストを受けている生徒との比較が可能なのだ。
また年に何度もやるので、偏差値の推移や平均を出せるのも大きい。
テスト業者は、公立高校入試に焦点を合わせて、都道府県単位で営業活動を行っていることが多いので、都道府県全域のデータが手に入るのも大きな利点だ。
業者テストの受験者数は、最低千人は居るので、統計学的なデータとしても十分な信頼性があるし、そこから計算された合否の目安データをもらえるのも利点だ。
塾内テストと会場テスト
塾内テストを、いつ実施するかは、毎年難しい問題だ。
というのも中学生の塾生には、学校の定期テストに焦点を当てた指導が重要だから、定期テスト対策の時期を外して時期を設定しないといけないからだ。
塾に通う生徒も色んな中学に通っていて、学校によって2学期制だったり3学期制だったりするため、どのタイミングで実施するかは、中々難しい。
大手進学塾などでは、中学の定期テストを気にせずに日時を決めていたりもするが、個人塾や小規模塾では可能な限り生徒の都合に合わせないといけないしね。
となると、年4回実施であれば、2月末、5月初め、7月、11月といった感じになる。
年5回実施なら、2月末・5月・7月・9月・11月という感じで、中学生の定期テスト対策期間は避ける。
というのも定期テスト対策は、新しい生徒を募集する良い機会でもあるからだ。
一方、受験生の場合は、会場模試のスケジュールも考える必要がある。
中学3年生ともなると、高校受験に備えた模試が毎月のようにあるので、いつどの模試を受けるかを考えねばならない。
テスト業者の中には、会場模試と全く同じ問題を販売しているところもあるので、それを使うことも選択肢に入れておくと良い。
中3の夏までは模試問題を塾内テストで行い、9月以降は外部の会場で受験させるというのも、一つの考え方だ。
この場合、春から受験生名簿をFAXで送っておいて受験すると、成績の推移データもまとめてもらえるので、色々と便利だ。
まあ、成績が下がってたら、塾側としては悪いデータになっちゃうんだけどね。