識字障害は、とにかく読み書きとそろばん
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識字障害をもつ子供の場合、とにかく漢字の読み書きを徹底してトレーニングをする必要がある。
音声と文字という記号の対応関係がうまく脳内に作れていないので、それを作らないとどうしようもない。
小学校時代に習う漢字は約1000字だが、これをまず徹底的に練習する。
中学生の場合は、中学の漢字も並行して練習させる。
大事なのは、黙読でやらないこと。
識字障害の場合、音声と文字が結びつかないわけだから、音声と文字の対応関係をハッキリさせることが重要だ。
それから辞書を徹底的に引かせる。
自分で辞書を引けるようになると、子供はドンドン言葉を覚えるようになる。
小学校時代に辞書や図鑑をひけるようになると、識字障害を抱えていても、あまり問題にならない場合もあるようだ。
英語はフォニック教材を使う
識字障害がある場合、英語でも文字と音声の対応関係をしっかり教えることが重要になる。
もともと英語圏に識字障害が多いのは文字と発音の対応関係が複雑だからと言う説がある。
英語というのは、ドイツ語と同じゲルマン語がベースの言語だが、いろんな言葉が混じってしまった言葉なので、発音の法則がかなり複雑になっている。
イタリア語やフランス語というのは、ローマ帝国時代の言葉であるロマン語の流れを引き、ローマ字読みでほとんど発音出来るようになっている。
ドイツ語も、文字の表記と発音は、あまりバリエーションが無く、文字を見ただけでどう読むのか大体分かる。
ところが英語の場合、この二つが混じってしまっているため、文字の表記と発音の対応関係が見えにくい。
たとえばphoneは「フォーン」と読むのに、phyを「サイ」と読んだりする。
そうかと思うと、今度はlightのように全く読まない文字もある。
でこのghが常に発音されないかというと、そうでもないから厄介だ。
日本語の場合、発音しない文字というのはほとんど無いし、ひらがなやカタカナは表音文字なので、対応関係はきっちりしていて覚えやすいが、英語の場合はもう複雑怪奇という感じになる。
日本で中学生になってから識字障害に気づくのは、そういう言語の違いから来ているという。
この音声と表記の対応関係を教える教材として、フォニック教材というモノが開発されている。