模試でよく問題になる「偏差値」とは?
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学習指導や進学指導で、必ずと言って使われるのが「(学力)偏差値」だ。
偏差値というのは、簡単に言うと、試験の結果を良い方から並べたとき、上位から何割くらいの位置に居るかを、数値で示したものだ。
日本で使われている学力偏差値は、
平均点を取れば、偏差値は50になり、平均点より多く点数を取れば、偏差値は50より大きくなる。
逆に平均点より点数が低ければ、偏差値は50を割って40台になる。
そして全体の68%が、偏差値40から偏差値60の範囲に収まる。
偏差値と人数分布
偏差値のレンジ | 全体の% | 100人中 |
---|---|---|
偏差値30未満 | 2.3% | 2人くらい |
偏差値30~40 | 13.6% | 14人くらい |
偏差値40~50 | 34.1% | 34人くらい |
偏差値50~60 | 34.1% | 34人くらい |
偏差値60~70 | 13.6% | 14人くらい |
偏差値70以上 | 2.3% | 2人くらい |
これは最低のモノをゼロ、ちょうど真ん中のモノを50、最高のモノを100として表すのだが、偏差値と大きく違うのは、完全に順位だけできめるってことだ。
アメリカの大学入試の点数は偏差値そのまま
偏差値は、進路指導で、非常に重要だ。
というのも模試の難易度もいろいろだし、試験の点数そのままの素点(そてん)では、学力がどうなのか判断できないからだ。
生徒が良い点を取ったとしても、平均点が高ければ、良いのかどうか分からない。
生徒が悪い点を取ったとしても、平均点が低ければ、ホントにダメなのかどうか分からない。
単純なテストの素点だけでは、デキるのかデキないのかが、全く判断できないのだ。
そこで偏差値を計算して、それを学力として考えることになる。
つまり点数が取れたかどうかではなく、偏差値が良かったかどうかで考えるわけだ。
こういう風に、学力を偏差値で判断する方法は、アメリカの大学入試で行われている。
アメリカの大学入試というのは、SAT(Scholastic Assessment Test)という大学能力評価試験の点数で出願する。
これは年7回行われる標準テストで、読み書き・数学能力を問うSATと、より専門的なSubject Testsがある。
大学志願者は、年7回あるSATテストを受けて、その点数を大学に提出して合否が決まる。
このSATテストの点数を元に合否が決まるのだが、実はSATの点数は偏差値そのものだ。
SATの点数は、1科目あたり、200点から800点の間の10点刻みでつくのだが、実は0点でも200点になる。
というのもこの200点というのは、日本で言う偏差値20のことで、最高点の800点というのは、日本で言う偏差値80のことだからだ。
アメリカのように国土が広い国では、東部と西部で時差が何時間もあるので、全米で同時刻に統一テストなど行えない。
そのため、SATテストは年7回行われるが、テストごとに難易度が微妙に変わるので、偏差値そのものを評点にしているのだ。
一方、日本の場合は、入試が(ほぼ)偏差値で決まるのは、公立高校の統一入試くらいだ。
中学受験も大学受験も、学校それぞれ独自問題で行うので、偏差値よりも問題との相性が重要になる。