塾内で中学受験生の学力を測るには?
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個人塾や小規模塾で中学受験の指導を行う場合、大手塾と大きく差が出るのがテストだ。
大手の中学受験専門塾の場合、5週間ごとにテストを行い学力を確かめる。
そしてテストの結果によって席順を変えたりクラス替えを行う。
これによって他の受験生との相対関係を目に見えるようにハッキリさせ、やる気を促すというやり方だ。
頭の良さとか学力というのは、目に見えない。
だから子供は主観的に「自分は頑張ってる」と言う。
しかし本人がいくら努力していると主張しようとも、一定以上の学力に達していなければ、塾としては何とかして成績を上げねばならない。
そのためにこういう「成績を目に見える形」にして、生徒の面前にハッキリと示さねばならないと言うことだろう。
もちろん塾の教室での席次なんて、受験の結果とは殆ど関係などない。
しかし他の受験生と競っているという雰囲気を演出したり、席替えによって脳を活性化させたりということで、やる気や成績をのばそうという狙いがある。
ただしこういうのは、目的と学力レベルが揃っていることが必要だ。。
というのもたいていの人間は、レベルがあまりにも離れていると、「勝てる見込み」がないので、やる気を失って競争を止めてしまうからだ。
中学合格を目指している同じ学年の生徒で、学力も近いという条件が揃わなければ、競争によるレベルアップは難しい。
まあそのために、中学受験専門校では、2ヶ月ごとにクラス替えなどをやるわけだな。
そして個人塾や小規模塾では、中学受験生を何十人も抱えていないから、こういうことはできない。
しかし月に一回程度の学力判定は、やはり必要だろう。
大手中学受験専門塾と同じような月例テストは、個人塾や小規模塾では無理なのか?
中学受験の塾内テストは、教材とセットになっている
小さな塾で、中学受験生を預かった場合、月例テストで学力を測らねばならない。
そのためには中学受験用の学力テストが必要だが、これには二つの方法がある。
一つは四谷大塚や日能研の月例テストに参加することだ。
ただし四谷大塚の月例テストに参加するには、四谷大塚の提携塾にならなければならない。
また日能研の月例テストに、塾から申し込むこともできる。
ただし日能研の場合は日能研関連の教室や会場で受験することになるので、場合によっては日能研に生徒を取られる可能性もある。
これらは受験する日時が決まっているので、生徒側の都合で受験できない場合もある。
さらに大手専門塾の月例テストを利用するなら、教育カリキュラムもそれに合わせないと学力が測れない。
四谷大塚の月例テストを利用するなら、四谷大塚の提携塾になって予習シリーズを使わないといけない。
つまり
- 四谷大塚のテストを利用→四谷大塚のテキスト(予習シリーズ)が必要
- 日能研のテストを利用→日能研のテキストが必要
ということだな。
もちろん、試験範囲に合わせた学習をすれば、テキスト購入は必要無い。
特に国語や算数などは、学習カリキュラムや教材が違っても、テストの形式はあまり変わらないし。
しかし理科や社会は学習カリキュラムが違うと、全然違う単元を学習することになる。
中学受験用の塾内テストとしては、育伸社の「月例テスト・受験型Bテスト」というのもあるが、これも育伸社の「中学受験講座アドバンス」という受験用のテキストに沿った形で行われるため、結局育伸社のテキストが必要だ。
また「首都圏模試」などの会場模試も、これらの月例テストとはまた別の試験範囲で行われるため、試験対策はかなり面倒になる。