カクテルパーティ効果と、選択的注意力

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感覚フィルターというのは、脳のフィルター機能の一つだ。

 

脳のフィルター機能は、五官から受け取った情報にフィルターをかけて、そのとき時に必要な情報だけ通すという機能だ。

 

感覚フィルターが上手く働いていないために、注意力が無くて、勉強ができない子供も多い。

 

たとえば「カクテルパーティ効果」と呼ばれる現象がある。

 

カクテルパーティでは、大勢のゲストがテンでバラバラに会話していて騒々しいのに、なぜか話したい人の声が聞こえて会話ができる。

 

学校の勉強なんかだと、教室が騒がしいと先生の話が聞こえなかったりするが、それよりも騒々しいカクテルパーティでは、なぜか相手の声が聞こえる。

 

大勢の人間がいても、自分の名前を呼ばれると気づくのも、この効果だ。

 

超一流のアスリートは、ここ一番の勝負所では周囲の雑音をシャットアウトできるなんていう話もよく聞くね。

 

これは脳が、人の声や雑音などに感覚フィルターをかけて、自分に関係がある情報だけ選んでいるかららしい。

 

こういうふうに、人間の脳は、特定の感覚にフィルターをかけることで、注意力を特定のものに向けることができる。

 

これを「選択的注意」(selective attention)という。

 

選択的注意の実験で有名なのが、ハーバード大学の「白いシャツを着たチームのパスの回数を数える」実験だ。

 

次の動画を見て、パス回数が正解に数えられれば、選択的注意力がちゃんとある。

 

白いシャツを着たチームのパス回数を数えてください



目に見えているはずのモノが見えていない

選択的注意とは、特定のモノに注意力を向けることだ。

 

選択的注意の実験では、ハーバード大学の白いシャツを着たチームのパス回数を数えるという実験が有名だ。

 

この実験では、2つのことを試している。

 

まず白いシャツを着たチームのメンバーの動作に、注意を集中させられるか。

 

これができれば、選択的注意力がちゃんとあることになる。

 

もう一つは「それ以外のモノも、見えているかどうか」だ。

 

パス回数に正解が出せた人に、「何か他に気になるモノが映ってませんでしたか?」と尋ねると、「え?」とビックリされる。

 

正答を出した人は、たいていの場合、画面に映っていた黒い物体に気づかない。

 

そこで改めて動画を見てみると、全く気づかなかったモノが映っていることに気づく。

 

白いシャツのプレイヤーに選択的に注意を集中させていたため、それ以外のモノが認識できなかったのだ。

 

つまり「目に見えているはずのモノが、見えていない」わけだね。

 

別の言葉で言うと、「関心が無いことは、ハッキリ目に見えていても、認識しない」。

 

できない生徒に一生懸命勉強を教えても、全然勉強が進まないのは、たいていこういう感じで、同じ事を何度も何度も何度も何度も繰り返すことになる。

 

ただし単に目の前の勉強に関心が無いのか、それとも選択的注意力が無いのかは、しっかり観察してないといけない。

 

もし注意力自体はあるのであれば、勉強に関心を持たせる努力をすれば良い。

 

しかし注意力に障害があるのであれば、別の方法を考えないといけない。

 

では、どのような注意障害があるのか、もう少し詳しく調べていくことにする。

 

注意機能障害の分類
  • 容量性注意障害…情報処理能力が小さすぎる
  • 選択性注意障害…関心のあるモノや、注意すべきモノに注意を向けられない
  • 持続性注意障害…注意力を持続させられない
  • 分配性(分割性)注意障害…複数の作業を平行してできない、順序立てられない
  • 転換性注意障害…一つのことに集中してしまい、それ以外のことに切り替えられない

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