偏差値レベルで分ける指導方針
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できない子供の指導法。
できない子供といっても、色々な場合があって、学習指導は難しい。
そこで中学受験の模試の偏差値で、大まかに分けて考えていくことにする。
中学受験の場合、大まかに言うと、
- 中学受験模試:偏差値40未満
- 中学受験模試:偏差値40から45
- 中学受験模試:偏差値45から50(平均的)
- 中学受験模試:偏差値50から55
- 中学受験模試:偏差値55以上
この中で、一般的な小学生の学力は、偏差値45前後だと考えれば良い。
平均点を取った人の偏差値は「50」になるはずだが、小学生の場合、中学受験をしない子供もいて、模試を受けるのは受験をする子供だけだ。
そして中学受験をする子供の大半は、どこかの進学塾に通っていることが多いので、一般の小学生よりは勉強している。
そのため、偏差値は一般の小学生と比べて、3~5くらい低めに出てしまう。
つまり模試の母集団が「中学受験生」なので、少し教育レベルの高い小学生ばかりが模試を受験しているわけだね。
なので偏差値48くらいなら、小学校では「よくできる方」で、学校のテストでは100点をバンバン取る。
逆に言うと、小学校で毎回100点を取ってくる子供でも、中学受験の模試を受けたら、偏差値48くらいしか取れないかも知れない。
偏差値40未満の子供は、BICSレベルの会話能力しか無い
子供の学力は、偏差値である程度は掴むことができる。
というのも、よくできる子供が、低い偏差値を取ることはあり得ない。
また、できない子供が高い偏差値を取ることもあり得ない。
できる子供と、できない子供の間には、いくつか大きな壁があるのだけれど、それが偏差値という数値に現れる。
そして学習塾で問題になるのが、一番下位のレベルである、偏差値40未満の子供だ。
偏差値40未満の子供とは、どういう感じの子供なのかというと、とにかく文章が読めない。
漢字は読めないし、熟語も読めない。
このレベルの子供というのは、抽象的な事が理解できず、算数の単位とか速さとかが理解できない。
大人との会話も実はうまくできず、大人の顔から何か読み取ろうとする。
これは幼い子供によくある動作で、自分に知識が無いため、他人の顔色で判断しようとするわけだ。
この段階の会話能力のことを、カナダの心理学者ジム・カミンズは、BICSと言う風に呼んだ。
BICSとは、Basic InterpersonalCommunication Skillsの略で、「基本的対人伝達能力」と訳される。
これは幼い子供がやるような、目の前に話し相手がいないと、何も伝わらないレベルの言語能力だ。
目の前にある実物のことしか話せず、抽象的な仮の話はできない。
抽象的な話や、仮の話ができるのは、脳が十分発達してからのことなのだが、これが実は、単位や速度と言った抽象的概念にズバリ当たってしまう。
つまり、幼い会話しかできない子供は、抽象的な言葉が理解できないし、単位や速度なども理解できないわけだな。